バリ島と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか。
エメラルドグリーンの海、異国情緒溢れるリゾート地でゆったりとした一時を楽しむ。
そんな華やかなイメージのバリ島も観光地を外れると様子は違っています。
山奥や農村部ではまだまだ生活は豊かとは言えず、観光地まで物乞いにくる子供達も未だ目にします。
はじめに出会ったのは、貧しい地域に暮らす人たちの自立をサポートしている日本人、
大西雄季(おおにしゆき)さん。
自家焙煎のコーヒー屋さんを始め、バリで暮らしつつ農園に携わっています。
今ではコーヒーだけでなく、農村部の奥地でカシューナッツなどの製造に取り組むNGOのサポートなどもされています。
一つ一つ丁寧に手剥きは、世界に通用する品質の商品を作られています。
インドネシアのデンバサール空港から北に車で約3時間、バリ島プラガにあるBON村という村があります。
その村には、聖なる山と呼ばれるチャトゥール山のふもとから湧き出る聖水と同じ、
綺麗な水で精製されるコーヒー農園「DIBON KOPI」が広がっています。
スマトラワインとの出会いは、大西さんのお母様の介護相談を受けたことから始まります。
彼女はバリ島でコーヒー農園を経営しフェアトレードに取り組んでいました。
その時、スペシャルティーコーヒーの豆があまりにも安い値段で商社と取引をしていることを知ったそうです。農夫達の生活が困窮していることや、環境改善ができないことも同時に知ります。
私たちは現地に行き、農園の人たちの想いやコーヒー豆に対する愛情の深さに共感し、
「DIBON KOPI」と契約することになりました。
「DIBON KOP」のリーダーであり、BON村のコーヒー農家さんたちをまとめるのは、パック=スラマットさん。
もともと、大きなコーヒーの精製場のマネージャーとしても働いていた彼ですが、自分の理想のコーヒーをつくろうと、地元で家族と共に、周りの農家さんたちも少しずつ巻き込みながらコーヒーづくりに取り組んでいます。
日本の管理方法を取り入れ、徹底した管理で摘んだ豆からコーヒー豆として使用されるのは、
なんと1/3程度。この工程を目の当たりにして美味しい理由がわかりました。
そして、豆の発酵に不可欠な天然酵母に対する想いが半端ではありません。
バナナやパパイヤ、マンゴーなどのフルーツ由来の天然酵母を使用して発酵させるのですが、天然酵母のあまりの美味しさに衝撃を受けました。
インドネシアといえば、マンデリンで知られるように、アジアの中ではコーヒーの一大産地です。
私たちは、パック=スラマットのように小規模でも創意工夫をしながらコーヒーづくりに取り組む農家さんたちが埋もれてしまわないよう、もっと光をあてていきたいと考えています。
そして、そんなオーガニックスペシャリティーコーヒーを皆様にお届けしたいと思っています。